「ペットサロンとはどういう場所か」、「どのようなサービスがあるのか」などを解説しています。
またペットサロンの種類ごとのメリット・デメリットや、利用する場合のポイントなども併せて紹介しています。
ペットサロン(トリミングサロン)とは?

ペットのお手入れは、ペットが健康で清潔に生活していくために必要なケアです。
もちろんペットのお手入れに慣れている人の中には家庭で行う人もいます。
しかし多くの場合はペットサロンにお願いし、プロによるケアをしてもらっています。
そういったペットサロンとはどういう場所なのか、お手入れの内容も併せて詳しくみていきましょう。
余談ですが下記記事では運営側の目線からペットサロンを紹介しております。
併せて読んでいただくと理解が深まるかもしれません。

ペットサロンの概要
ペットサロンとは、シャンプーやカットの他、爪切りなどのお手入れ全般をしてくれる「ペット用の美容室」のことです。
- トリミングサロン
- ペット美容室
- ドッグサロン
などと様々な名前で呼ばれています。
ペットサロンを利用する動物の多くは犬です。
しかし長毛種の猫の場合、シャンプーや毛のもつれなどによる全身バリカンなどが必要なこともあり、猫のトリミングを受け付けているペットサロンもあります。
犬の場合、生活や環境に合わせて様々なスタイルにしてもらえます。
例えばドッグショーに出すような美しいカットスタイルから、暑さをしのぐためバリカンで仕上げるサマーカットまで、柔軟にリクエストに応えてくれるでしょう。
とはいえ全ての犬にトリミングが必要なわけではありません。
一定以上毛の伸びない犬種や、短毛の犬種には必要ありません。
しかしトリミングが必要ない犬でも、ペットサロンを利用する人は多くいます。
というのも犬のお手入れには被毛のカットだけでなく、爪切りや耳掃除といった「グルーミング」と呼ばれるお手入れがあり、これは全ての犬に必要であるためです。
以下では
- トリミングとグルーミングの違い
- トリミングが必要な犬種
について解説していきます。
トリミングとグルーミングの違い
グルーミングとは
犬のお手入れには、トリミングとグルーミングの2種類があります。
トリミングとグルーミングは混同されることが多いです。
しかし、これらは違う意味を持った言葉です。
トリミングとは被毛をカットしたり毛を抜いたりし、その犬種本来の美しさを引き出すためのお手入れをすることを指します。
トリミングと一言で言っても、そのスタイルはスタンダードといわれる犬種標準に基づくカットから、夏の暑い時期を快適に過ごすためのサマーカットまでさまざまです。
それに対しグルーミングとは犬の全身のお手入れのことを指します。
具体的には以下のお手入れが含まれています。
- ブラッシング(コーミング)
- 肛門腺絞り
- 足裏バリカン
- 爪切り
- 耳掃除
中には聞き慣れないものもあるかもしれません。
それではそれぞれの項目について、具体的に解説していきましょう。
グルーミングの具体的な手入れ
ブラッシングとは、毛のもつれを取り、不要な毛を除去することです。
皮膚のマッサージ効果もあり、美しい被毛を保つために必ず行います。
次に肛門腺絞りとは、肛門の左右にある、「肛門嚢」という袋状の器官にたまった分泌物を絞り出すケアのことをいいます。
通常は排便時に自然に排出されます。
しかし小型犬などでは排出されずにたまってしまいます。
これを放置すると肛門腺が破裂する場合もあるので定期的に確認が必要です。
足裏バリカンとは、足の裏の肉球の間に生えている毛をバリカンで短くカットすることをいいます。
伸びていると床で滑りやすくなったり、汚れがたまって不衛生になるので必須です。
また爪切りも重要なお手入れです。
体重のある犬は、アスファルトで散歩すると爪が自然と削れていく場合もあります。
しかし小型犬などでは削れずに爪が伸び続けてしまいます。
爪が折れたり、爪が肉球に刺さったりするので定期的に切らなければなりません。
耳掃除では、耳の中の毛を抜き、耳垢を専用のクリーナーで除去します。
耳の汚れは外耳炎の原因となり、悪臭や耳のただれに繋がります。
最後に歯磨きでは犬用の歯ブラシやガーゼなどで歯や歯茎を磨きます。
犬は歯垢がたまりやすく、歯石になるのも早いと。
このようにグルーミングは、見た目の美しさというよりも、犬が健康的に暮らしていくために必要なお手入れのことをいいます。
このお手入れはトリミングをする際にも行うので、グルーミングはトリミングの中の作業の1つなのです。
トリミングが必要な犬種
確かにグルーミング全般を家でできればペットサロンに行く必要はありません。
しかし犬種によっては定期的なトリミングが必要な犬種もいます。
- プードル
- シュナウザー
- コッカースパニエル
- マルチーズ
上記のような犬種は、カットをしないと毛が伸び続けたり、清潔な状態が保てなくなってしまうため、定期的なトリミングが必要とされています。
長期間トリミングせずにいると毛玉が発生し皮膚炎の原因となったり、顔が毛で覆われて視界が悪くなってしまったりと健康状態が損なわれてしまうのです。
トリミングが必要なペットを飼っている場合、ペットサロンにはできれば月に1回、少なくとも2〜3か月に1回は連れていくといいでしょう。
実際にはマルチーズ、ヨークシャーテリア、シーズーはトリミングは必須ではなく、犬種のあるべき姿を定めた犬種標準に基づくと、「フルコート」といわれる被毛を長く伸ばした状態が本来の姿だとされています。
しかし家庭で飼育する場合、フルコートでは日に何度もブラッシングが必要であったり、散歩時に汚れが付きやすかったりと手入れに苦労するため短くカットしている犬が多いようです。
また近年は、ポメラニアンを柴犬のように短くカットしたりと、トリミングが必要でない犬種だとしても、飼い主の好みに合わせて自由にカットを楽しむ人も増えています。
ペットサロンではペットのお手入れ全般をしてもらえます。
トリミングでは飼い主の希望の合わせたスタイルにしてもらえます。
トリミングが必要ない犬種でも、健康維持のためにグルーミングは欠かせないお手入れです。
ペットサロン(トリミングサロン)の種類とは?
ペットサロンには様々な種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
どのようなスタイルを希望するのかや、予算などに合わせて選ぶといいでしょう。
ペットショップ併設のペットサロン
ペットショップ併設のペットサロンとは、犬や猫などの生体や、ペットグッズを販売しているペットショップ内に作られたサロンのことです。
ペットを購入した場所でトリミングが受けられると、犬も場所慣れしているため安心して預けられるでしょう。
- 価格が安い
- 店舗が多い
- 送迎や割引など、サービスが充実している
- トリマーを指名できない場合がある。
- トリマーの技術差がある。
- シャンプーやカットなど作業によって区分けされていて流れ作業でトリミングされることがある。
動物病院併設のペットサロン
動物病院併設のペットサロンとは、動物病院内や、動物病院の近隣に作られたサロンのことです。
トリミングのみで利用するというよりは、かかりつけとして普段から病院に通っているペットが利用していることが多いです。
- トリミング中の体調変化にすぐ対応してもらえる
- 病気や高齢など他のペットサロンで受けてもらえないペットでもトリミングしてもらえる場合がある
- 動物看護師兼ㇳリマーのスタッフが多く、技術に差がある
個人経営のペットサロン
個人経営のペットサロンとは、個人で開業しているサロンのことです。
少人数で経営している場合が多く、アットホームな雰囲気の店舗が多いようです。
- 技術力の高い人が多い
- 毎回同じトリマーに担当してもらえるので、犬も慣れやすい
- チェーン店に比べると価格が高い
ペットサロンにはさまざまな種類があり、犬の体調や希望するスタイル、予算に合わせて選ぶことができます。安心して預けられるようなペットサロンを選べるといいですね。
ペットサロン(トリミングサロン)のサービスや料金は?
ペットサロンには店舗によりサービスや料金が異なります。
ここでは受けられるサービス内容や料金を詳しく解説していきます。
ペットサロンで受けられるサービス内容
サロンで受けられる代表的なサービスとして、以下のようなものがあります。
- ペットの送迎
- ペットの撮影
- リボンやネックリボンのプレゼント
- エステやパックによる皮膚のケア
- マイクロバブルバスを使ったケア
それぞれ詳しくみていきましょう。
まずペットの送迎は自宅まで車で送迎してくれます。
そのため車を持っていない人や高齢の方にも便利なサービスです。
次にペットの撮影では、トリミング後の綺麗な写真を撮ってくれます。
さらに画像を送ってくれたり印刷してもらえたりすることもできます。
またクリスマスやハロウィンなどの季節に合わせた背景で撮ってくれることもあり、撮影を目当てに季節ごとに利用する人も多いようです。
他にもトリミングの仕上げに、季節に合わせたリボンを付けてくれるサロンもあります。
エステ、パックでは、愛犬の肌の状態に合わせて泥パックやハーブパックをしたり、エステのようにマッサージしてくれます。
最後にマイクロバブルバスとは、数十ミクロンの小さな泡がでる特殊な浴槽に入れることにより、毛穴の中の汚れまで落とし、皮膚病の改善や臭いの除去をすることができるケアです。
このように店舗によりサービス内容はさまざまです。
そのため愛犬に受けさせたいケアやサービスによってペットサロンを選ぶといいでしょう。
ペットサロンの料金
ペットサロンのトリミング料金は店舗の立地や規模などにより差があります。
ホームページがあるサロンの場合、詳しい料金が載っています。
そのため初めて行く場合は必ず確認することをオススメします。
またプードル専門のサロンなど、犬種に特化サロンでは料金が高く設定されています。
犬種や希望するスタイルにより料金に差はありますが、ペットの大きさによる料金の大体の相場は以下の通りです。
グルーミングのみの費用 | トリミングの費用 | |
小型犬 | 2,500円~ | 5,000~8,000円 |
中型犬 | 3,500円~ | 6,000~9,000円 |
大型犬 | 3,500円~ | 10,000~18,000円 |
猫 | 5,000円~ | 6,000~8,000円 |
犬種が同じでも、サマーカットなどの全身バリカンを行う場合と、全身はさみでカットする場合とでは1.5倍ほど料金が変わることがあります。
また毛玉が多いとトリミング時間が延長されてしまうため追加料金が発生します。
ペットサロンごとにサービス内容や料金には差があります。トリミングが必要なペットを飼う以上、ペットサロンは定期的に通う場所になるので、予算や受けられるサービスを考慮して選ぶといいでしょう。
ペットサロン(トリミングサロン)を利用する際のポイントとは?
ペットサロンを利用する際は、準備が必要であったり、守るべきポイントがあります。
安心してペットを預けるために、必ず確認しておきましょう。
予防接種を済ませておく
ペットサロンでは複数の犬を同時に預かっています。
そのため感染症予防の観点から予防接種は必須になっています。
犬の場合は1年以内の混合ワクチンと狂犬病予防接種の接種を済ませましょう
店舗によっては証明書を持参する必要な場合もあります。
猫の場合でも1年以内に混合ワクチンを摂取し、証明書を掲示する必要があります。
またノミやダニがいる場合は事前に駆除してから来店することが求められます。
希望するスタイルをイメージしておく
ペットのカットスタイルは様々で、犬種標準に縛られず自由なスタイルを楽しむ人が増えています。
トリマーに正確にイメージを伝えるためには、写真や切り抜きなどを持参するといいでしょう。
またペットの足先の毛は自然に伸ばすのか、バリカンでスッキリ刈るのか、ひげは残すのかなど細かい部分もトリマーと相談し、トリミング後に不満が残らないようにするのが大切です。
ペットの苦手なことを伝える
ペットの中には水や爪切りが嫌だったり、あるいは大きな音や耳を触られるのが怖かったりするなど、それぞれ苦手なことがあります。
苦手な作業を伝えておけば、トリマーも気を付けて作業しますし、なるべく短時間で終わらせるよう気をつかってくれます。
ペットにとってもトリミングがトラウマになるとストレスが大きくなってしまいますし、ペットサロンに入るのを嫌がるようになってしまいます。
またずっとおとなしく我慢していても、限界がきてトリマーを噛んでしまうという可能性もあります。
そのため苦手なことはトリマーに事前に伝えておくといいでしょう。
トリミング中はそばを離れる
確かにトリミング中のペットの様子は気になるかもしれません。
しかし飼い主の姿が見えてしまうと興奮してしまい、トリマーの指示に従わなくなることがあります。
トリミング中のペットに声をかけるのはもちろん、窓の外から手を振ったり姿を見せるのも御法度です。
またトリミング中にペットが危険な行為をした場合、安全のためにペットにしつけをしなければなりません。
しかし飼い主が見ているとトリマーもしつけがしずらく、その結果トリミング時間が伸びてペットの負担が増えてしまいます。
ペットのことはトリマーにお任せし、トリミング中は一旦家に帰ったり近くのカフェに行くなど、ペットサロンから離れた場所で待ちましょう。
ペットサロンを利用する際には、事前に何が必要かを確認し、安心して預けられるよう準備しておきましょう。またスムーズな作業のためにも、トリミング作業をのぞいたりペットに声をかけたりすることは厳禁です。
まとめ
ペットサロンはペットの健康を維持したり、ペット本来の美しさを引き出す場所です。
コロナ禍でペットの需要が高り、それに伴いペットサロンの数も増えています。
様々な種類のペットサロンがあり、それぞれ違った特徴があります。
予算や希望するスタイルに合ったペットサロンを見つけられるといいですね。
投稿者プロフィール

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ペッツファースト株式会社の店舗にて4年間勤務した責任者を中心に運営。在職時店舗運営、ペットの販売、店内環境整備、ペットの健康管理なども含め、ペットショップ全体の管理を行った経験を持つ。
◆保有資格:動物取扱責任者
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