トリミングサロンの内装工事と費用相場とは?

この記事のまとめ

トリミングサロンの開業を検討している方に向けて、どういった内装にする必要があるのかや、おしゃれな内装にするにはどうすればよいかについて、実際の店舗のレイアウトを紹介しながらご紹介します。

また、内装にかかる費用の目安についても解説するので、開業までの資金計画にしてください。

目次

トリミングサロンとは?

トリミングサロン ペットサロン

トリミングサロンとは、一言でいうとペットのための美容サロンのことです。

例えば長くなってしまった毛や爪を適切な長さに切ってトリミングする際に利用される施設です。

トリミングが必要かどうかは飼っているペットの種類にもよります。

清潔感を保ち雑菌やダニからペットを守るためにトリミングは必要不可欠です。

そのためペットブームの今、トリミングサロンの需要はますます高まっています。

ところでトリミングサロンの形態は多種多様ですが、代表的なものとして専門店舗型サロン自宅サロンの2つがあります。

専門店舗型サロンとは自宅とは別に店舗を構え、そこでサロンを経営する形態です。

他方で自宅サロンとは、自宅の一部をサロンとして使用する店舗形態のことを指します。

詳しくは下記の記事で解説していますので、併せてご覧ください。

あわせて読みたい
トリミングサロン(ペットサロン)を開業するなら!必要な資格や資金、トリミングサロンへの集客や手続... この記事のまとめ トリミングサロンをこれから開業する方のために、開業の流れや必要なもの、資金の目安などを解説します。 また、運営できる場所や集客方法なども紹介...

ペットの毛や爪などを整える専用の施設をトリミングサロンと言います。

トリミングサロンの内装デザインのポイントとは?

ペットサロン トリミングサロン 内装デザイン

トリミングサロンを開業する時にまず最初に立ちはだかる問題は内装デザインをどうするかという問題です。

というのも内装デザインをおろそかにしてしまうと新規のお客さんが減ったり常連さんが他店舗に流れたりする可能性が高くなるからです。

そのためここでは特に重要な4項目に絞り、どのような点に注意するべきかを解説します。

内装デザインの4つの注意事項
  1. 清潔感
  2. 防音対策
  3. 臭い対策
  4. 安全性

【トリミングサロン内装ポイント1】清潔感を保つ

人間の美容サロンと同様に、美容サロンである以上、清潔感を保つことは必須です。

というのもトリミングサロンはペットの清潔さを保つ施設であるからです。

またサロンがシミで汚れていたり埃まみれであれば、飼い主を不安にさせてしまいます

それと同時に不衛生な環境はペットの健康にも悪い影響を与えます

そのため衛生にはより注意を払わなければなりません。

とはいえ清掃は非常に大変な仕事です。

そのためより清潔感を保ちやすい店舗環境を整えることで楽に綺麗な環境を保てます。

例えば耐水性のある床にすることで、床のシミを防止できます。

またフロアタイルにすると水や洗剤が床に飛び散って水で洗い流すことができるので掃除が楽になります。

清潔感は飼い主にとってもペットにとっても非常に重要な要素です。

フロアの素材など開業前に押さえておくポイントに注意しましょう。

防音対策をする

ペットに対して施術を行う以上どうしても避けられないのが騒音問題です。

ペットからすると普段とは異なる環境の中にいることになるため、興奮状態になり、普段は鳴かないペットも鳴いてしまう場合があります。

また例えば犬の場合だと一匹が吠え始めると他の犬もつられて吠えてしまい、思わぬ騒音に繋がってしまいます。

そしてペットの鳴き声は近隣住民や周囲の店舗からのクレームに直結します。

実はこのような問題は内装デザインを決める時点で、かなり緩和することができます。

それは防音建材を導入することです。

例えば防音扉や防音ガラスにするだけでも効果は絶大です。

また二重窓にするというのも一つの手でしょう。

しかしこういった防音対策の多くは開業前に工事を行う必要があります。

そのため開業する際はこういった対策を計画的に行わなければなりません。

もちろん内装の工事を行った後でも吸音パットや遮音シート等で一定の効果を期待できます。

【トリミングサロン内装ポイント2】匂い対策をする

ペットに対してサービスを行う仕事の中で騒音の他にもう一つ大きな問題があります。

それは悪臭問題です。しかし消臭スプレーがあるという理由で臭い対策にそれほど注力しない店舗もあります。

しかし消臭スプレーは、特に嗅覚に敏感な犬の健康に悪影響を与える可能性があります。

そのため、換気装置脱臭装置といった設備を導入することが最も確実な対策です。

その上、こういった空調設備は途中から導入したり工事したりすることが難しいので、開業前に十分な設備をそろえておくことをお勧めいたします。

【サロン内装ポイント3】安全性を考える

飼い主のペットを預けてもらうため、最も気を付けなければならない点は安全面です。

飼い主からするとペットを他人に預けている状態なので、そのペットの身に万が一があっては大変です。

逆に言えば安全面に気を配り、ペットに危険が及ばないように十分配慮することが、飼い主から信頼を獲得する近道と言えるでしょう。

それでは安全性を高めるためにはどうすればよいでしょうか。

方法は大きく分けて二つあります。目に見える物に対する対策と目に見えないものに対する対策です。

目に見えるものに対する対策だと、例えば角が尖っているインテリアを設置しないことや、脱走を防止するためのケージを用意する必要があります。

また、そもそも不用意にインテリアを置かず、シンプルな内装にすることが事故防止に繋がります。

他方で目に見えないものに対する対策ですと、消毒殺菌などが挙げられます。

他のペットと同じ環境にいる以上、感染症にかかる可能性はゼロではありません。

殺菌やダニ対策を徹底することで安心してトリミングサロンを利用してくれるようになります。

内装のデザインをする際は清潔感防音対策臭い対策そして安全性に気を配る必要があります。

トリミングサロンの内装デザインの具体例とは?

トリミングサロン 内装 ペットサロン デザイン

これまで内装デザインを考える上で注意が必要な点について解説してきました。

しかし内装デザインは、配色や壁紙といった見た目も重要です。

そこでこの章では、見た目に焦点を当てて、どのようなデザインがあるのかについて実際の店舗の施工例を紹介しながら解説していきます。

①清潔感UP!ブルー系デザイン

こちらの店舗は清潔感にあふれた内装デザインの良い例です。

水色を基調としたカラーリングとなっています。

爽やかさを連想させる青系の色を使用することで、より一層清潔感が演出されています。

またドッグバスの床材はタイルなのでシミが付きにくく、手軽に清掃できる環境になっています。

②清潔×徹底防音デザイン

この店舗は清潔に細心の注意を払いその上で防音を徹底しているデザインが特徴です。

全体的に白をベースにしているためクリーンなイメージが全面的に押し出されています。

また薬品や道具を置く棚はガラス素材なので、透明感あふれる仕上がりとなっています。

また窓に注目してみると二重窓が導入されています。

防音対策が十分なので、飼い主は安心して自分のペットを預けることができます。

③圧倒的かわいらしさ!ゆるふわ系デザイン

今まで紹介してきた2店舗とは異なり、ピンクをベースカラーとした内装デザインはペットのかわいらしさをより引き立てているように思えます。

受付の前にあるソファも壁紙と同じピンクで揃えられています。

そのため統一感があり、おしゃれな内装に仕上がっています。

また受付横の棚には犬のインテリアがあり、どこか親近感を沸かせるような雰囲気を醸し出しています。

④古民家リノベーション!シック系デザイン

このペットサロンは古民家をリノベーションして作られたサロンです。

深めのグリーンやブラックを基調としたカラーリングとなっています。

そのため落ち着きがあってシックな店舗といった印象を受けます。

また木や葉っぱなどの自然の中にあるような素材やオブジェクトがあるので、飼い主だけでなくペットも落ち着けるような内装です。

⑤クリーン×ナチュラル系デザイン

こちらのサロンは壁紙の色を印象のやわらかいクリーム色にし、床を壁紙の色に近い明るめの木目のフローリングにしたデザインです。

全体的に明るく清潔な印象を与え、そのうえ床材が木目調なので自然らしさもあります。

また色が明るい木目のフローリングなので壁紙との非常に相性が良いです。

そのため統一感を損なうことなくまとまりのあるデザインとなっております。

⑥明るいサロン!ブライト系デザイン

最後にペットサロンは照明や光の取り入れ方に特徴のあるサロンを紹介いたします。

施術室には黄色で星形の照明器具が取り入れられています

そのため室内が一層明るくなり、施術しやすい内装デザインとなっています。

また施術室の小窓は位置が低く、そのうえ外からの日光を取り入れることができます。

このことでペットがリラックスして施術を受けることができる内装デザインです。

このような小さな一工夫がペットや飼い主に喜んで頂けるポイントですね。

カラーリングやインテリアによって清潔感を演出したり、入店しやすい雰囲気を作りましょう。

トリミングサロンの内装を行うときの費用はどのくらい?

トリミングサロン ペットサロン 内装 費用

トリミングサロンの内装デザインのイメージはできたでしょうか。

自分で店舗を開く際は、どのようなデザインにするかやどういった設備があれば便利かなど、考えれば考えるほど楽しくなってきますね。

しかし現実的な問題として、設計や設備の導入にはお金が発生してしまいます。

そこでここでは開業時にかかる、内装工事や設備・道具の費用について解説していきます。

内装工事にかかる費用

トリミングサロンの内装工事にかかる費用は大きく分けて二つあります。

レイアウト設計の費用と設計管理の費用です。

レイアウト設計とは備品や設備のを決定した上で内装の設計を行う工程のことです。

設計監理とは工事が設計通りに進んでいるかを随時確認する作業のことを言います。

次に具体的な費用に関してですが、レイアウト設計は25万円〜45万円、設計監理は25万円~50万円の費用がかかります。

もちろん店舗の大きさによって費用は変わります。

そのため、あくまで開業資金を貯める際の目安として参考にしてください。

設備にかかる費用

まず設備に関しては大きく分けて二つの工事を行う必要があります。

空調設備の工事と水道設備の工事です。

特に空調設備に関しては換気だけでなく消臭の役割も担っているため非常に重要です。

この二つの設備にかかる費用は工事込みで100万円~180万円が一般的です。

道具にかかる費用

次に道具についてですが、ここでは特に施術必要な道具をご紹介していきます。

まずはトリミングを行う際にペットを乗せるトリミングテーブルが必要です。

このテーブルに乗せてトリミングするので、トリミングをしやすい高さのテーブルを探しましょう。

具体的には自分の腰の高さ(80cm~90cm)まであるものが良いでしょう。

とはいえこのテーブルはペットを乗せる際に必要なだけなので、高さが合えばダイニングテーブルなどの普通のテーブルでも代用可能です。

2つ目はバリカンとその替え刃です。

注意する点は故障した際を想定してバリカンや替え刃は多めに用意しておきましょう。

3つ目はタオルです。

注意点は大きく二つあります。ひとつめは素材です。

タオル素材の代表的なものとして下の3つが挙げられます。

タオルの代表的な素材
  1. 綿
  2. マイクロファイバー

麻はたしかに吸水性に長けています。

しかし肌触りが悪かったり静電気が発生する可能性があるというデメリットがあります。

そのため肌触りの良い綿や、吸水性が高いマイクロファイバーがおすすめです。

もう一つの注意点はタオルの色です。

店舗のカラーに合わせるか、汚れが目立ちにくいような暗めのカラーにしましょう。

費用に関しては、トリミングテーブルで1万円~10万円、バリカンは4000-1万円、替え刃は5000-1万円、タオルは1枚200円から購入できます。

業界の相場はどのくらい?

これらを踏まえて、トリミングサロンの内装と施術道具を一通りそろえるのに、おおよそ160万円~300万円は最低でも必要になってきます。

他にも外装工事やパンフレット、他の施術道具を揃えるとなると多額の資金が必要です。

しかし創業補助金など、行政からの補助金を活用して資金を抑えることができます。

内装と設備、施術道具を一通り揃えるには数百万円単位の出費がかかるので、公共機関からの補助金を活用しましょう。

自宅でトリミングサロンを開業するときの内装は?

トリミングサロン ペットサロン 自宅 開業

冒頭で軽く触れた通り、トリミングサロンは実は自宅の一部を改装することでも開業することができます。

そこでここでは自宅サロンを行う際に別途必要な内装を2つご紹介します。

それは待合室玄関です。

自宅のリビングをそのまま待合室に使ったり、玄関を一しか用意しない人もいるかもしれません。

しかし仕事用の空間をプライベートな空間と混合させると、お客様だけでなく家族も混乱させてしまいます。

また動物の毛や臭いも同居している人を困惑させるかもしれません。

そのため例えば一部屋を改装したりしてお客様専用の待合室や玄関を設けましょう。

待合室や玄関はプライベート用お客様用の2つ用意しましょう。

まとめ

まとめ

この記事では「トリミングサロンの内装をデザインする際にどのような点に気を付けなければならないか」といった注意点やデザインの具体例、そしてそれにかかる費用について解説してきました。

自分だけのトリミングサロン開業のためにも内装についてのポイントをしっかり抑え、入念の計画と十分な資金を準備しましょう。

投稿者プロフィール

どうぶつかぞくせいかつ運営事務局
どうぶつかぞくせいかつ運営事務局
ペッツファースト株式会社の店舗にて4年間勤務した責任者を中心に運営。在職時店舗運営、ペットの販売、店内環境整備、ペットの健康管理なども含め、ペットショップ全体の管理を行った経験を持つ。

◆保有資格:動物取扱責任者
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次