ペットを飼っている人なら一度は聞いたことがあるペットホテル。
しかしペットホテルは単にペットを預けることができる施設ではありません。
そこでこの記事では「どのようなサービスを受けることができるのか」や「どのような種類のペットホテルがあるのか」について紹介していきます。
ペットホテルとは?

ペットホテルとは、一言でいうと「ペットを預かってくれる施設」のことです。
例えば出張や旅行などで、ペットの世話ができないときに利用されます。
そのため、数時間~数日のみの短期コースもあれば、1週間~数か月といった長期コースもあります。
また出張や旅行に行くのに電車や飛行機を使いますので、例えば新宿駅や梅田駅などの大きな駅や、空港の中にペットホテルが運営されている場合があります。
預けることができる動物は、犬や猫以外に兎や鳥等を預かってくれる所もあります。
ペットホテルの運営形態
さらに運営形態に関して言えば実は他の施設と併設している店舗もあります。
例えばペットショップや動物病院、しつけ教室に併設されている店舗もあります。
そのため、どういった施設に併設されているかによって、受けられるサービスにも特色が出てきます。
なお具体的なサービスに関しては第2章で詳しくご紹介します。
実際にペットホテルには施設によって下記の要素が異なります。
- 預かってくれる期間
- ホテルの場所
- 預かってくれる動物
- 運営形態
しかし、どの施設でも「ペットを預けることができる」というのは共通しています。
そのため目的やペットの性格に合った施設を選びましょう。
ここからはより適したペットホテルを選べるように、
- ペットホテルの種類
- サービス
- 料金
について紹介していきます。
ちなみにですが下記の記事では運営する側の目線でペットホテルについて解説していますので、併せて読むことでより理解が深まります。

ペットホテルとは、ペットの一時預かりしてくれる施設です。
ペットホテルの種類とは?

先述した通り、ペットホテルの運営形態には様々なものがあります。
そしてその運営形態によってペットホテルの特徴が異なります。
そこで今回は代表的な3種類のペットホテルの特徴やメリット・デメリットについて紹介していきます。
- ペットホテル専門店
- 動物病院併設型
- トリミングサロン併設型
ペットホテル専門店
ペットホテル専門店とは、動物病院やトリミングサロンなどの他の施設と併設されずに、独立した形でペットホテルのみを運営している形態のことを指します。
さてペットホテル専門店と聞くとペットホテル業のみを営んでいるため、規模が大きかったり大手企業が運営しているといイメージするかもしれません。
しかし実際ペットホテル専門店であってもホテルや運営会社の規模は関係ありません。
それでは次にメリット・デメリットについて紹介します。
メリット
ペットホテル専門店に預けるメリットは下記のとおりです。
- 丁寧な管理
- 突然の体調不良にも迅速に対応
- スタッフからのこまめな連絡
- 散歩や食事などの希望が通りやすい
- ドッグラン等で、他の犬との交流を通して社会性が育まれる
まずペットホテルを専業にしているので、丁寧に管理してくれます。
例えばペットが体調を突然崩してしまっても、すぐに飼い主や医療機関に連絡されます。
さらに不測の事態が発生しなくとも、”預けている間自分のペットがどのように過ごしたのか”や”散歩やごはんはしっかり食べたのか”をこまめに連絡してくれます。
ホテルによっては写真や動画付きで送るサービスもあるので、安心して預けることができます。
またペットホテル専門店は、その性質上ペットホテルのサービスを拡充することで他社と差別化をはかります。
そのため散歩や食事について柔軟に対応してくれるホテルが多いです。
普段と同じルーティンを送ることができれば、ペットも安心して過ごすことができます。
さらにペットホテルの中にはドッグランを設けている場合もあります。
ドッグランがあれば他の犬と交流する機会が増えるため、犬の社会性が育まれます。
このようにペットホテル専門店は、専業であるがゆえに充実したサービスが提供されています。
デメリット
- 犬同士のトラブルの可能性がある
- 感染症のリスクが僅かながらも存在する
- 料金が高い
ペットホテル専門店は専門店であるがゆえのデメリットがあります。
その一つは料金が高いことです。
というのも専門店はペットホテル業以外の収入源がないからです。
サービスを拡充させて差別化を図るとともに、拡充させた分の料金が発生します。
またドッグランがある店舗の場合は犬同士のトラブルが懸念されます。
さらにドッグランでは犬同士が自由に触れ合うことができるので、感染症のリスクもあります。
例えば狂犬病や犬パルボウイルス感染症が挙げられます。
その上、病気によっては人に感染してしまう病気もあります。
そのため予防接種やワクチンを打つことで対策をしましょう。
動物病院併設型
動物病院併設型とは、その名の通り、動物病院に付設されているペットホテルのことです。
それではメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット
- 病気やけがに対して獣医が対応してくれる
- 健康リスクのあるペットを預けられる
動物病院併設型ペットホテルで病気やけがに対して獣医が迅速に対応してくれることが大きなメリットです。
他の形態のホテルでは獣医が対応できるまでタイムラグが発生します。
しかし動物病院併設型ペットホテルは近くに動物病院があります。
そのため対応に後れを取ることはありません。
また健康リスクがあったり持病を持つペットを預けやすいこともメリットです。
他の形態のペットホテルでは健康リスクのあるペットをなかなか預かってもらえないことがあります。
どうしても持病のあるペットを預けなければならない場合は、動物病院併設型ペットホテルがオススメです。
デメリット
- 動物の管理に割かれる時間は少ない
- ドッグランを設けているところは少ない
他方で、動物病院併設型ペットホテルでは専門店と比較して管理に割かれる時間は少ない傾向です。
というのも動物病院と兼業でホテルを営んでいるので、動物病院の業務も行う必要があるからです。
さらにドッグランを設けている動物病院併設型ペットホテルは比較的少ないです。
動物病院と併設しているため、ドッグランの敷地を確保することが難しいからです。
トリミングサロン併設型
トリミングサロン併設型は、トリミングサロンの中や横にペットホテルが運営されている形態です。
なおメリット・デメリットは下記のとおりです。
メリット
- トリミングサロンのサービスを受けられる
トリミングサロンと併設されているため、トリミングやグルーミングなどのサービスを受けることができます。
ペットを預けている間にトリミングもしてくれるので、お金・手間の両面から非常に便利です。
なおトリミングサロンについては下記の記事で詳しく解説しています。
併せて読むと理解が深まるかもしれません。

デメリット
- 動物の管理に割かれる時間は少ない
- ドッグランを設けているところは少ない
他方で動物病院併設型と同じように、あくまでトリミングサロンと並行してペットホテルを営んでいるため、動物の管理に割かれる時間は少なくなってしまいます。
また敷地面積の都合上、ドッグランのスペースを確保できるトリミングサロンは限られているでしょう。
というのもトリミングサロンはあくまでもペットの衛生状態をトリミングによって維持することが最優先なので、ドッグランの設置は優先順位が下がってしまうからです。
ペットホテルには「ペットホテル専門店」、「動物病院併設型」、「トリミングサロン併設型」があります。
ペットホテルのサービスや料金は?

運営する形態は多種多様ですが、サービスや料金に関しても店舗によって様々です。
ここでは多くのホテルで提供される、一般的なサービスと料金の相場について解説していきます。
ペットホテルのサービスについて
まずはペットホテルで受けられる代表的なサービスを4つ紹介します。
- 散歩
- ドッグラン
- スタッフによる報告
- 24時間自分のペットをチェックできるライブカメラ
ひとつめは散歩です。
特に犬を預けた場合に散歩サービスを行ってくれるペットホテルがあります。
中には散歩の時間や回数を指定することができるホテルもあるので、普段のリズムで散歩できます。
次にドッグランですが、これはペットホテル専門店で提供されることが多いサービスです。
ケージの中ではなく、解放されたスペースで自由に動き回ることができるので、ペットのストレスを軽減させることができます。
それ以外にも他の動物と触れ合う機会になるので、動物の社会性を養うきっかけにもなります。
また数日以上ペットを預ける場合は、スタッフによるペットの報告サービスも非常にありがたいものになります。
というのもその日のペットの様子を写真付きで報告されるので、「自分のペットは健康か」や「しっかり管理されているか」といった心配事がなくなるからです。
これと同じようなサービスとして、24時間リアルタイムでペットの様子が分かる、ビデオ配信があります。
文章での報告よりも、動画や画像などで実際の様子を見ることができるので、安心して預けることができます。
そのうえ休憩時間や移動時間など自分のタイミングでペットの様子を確認することができるので、非常に便利なサービスです。
他にも様々なサービスがありますが、ペットホテルによって提供されているものは、もちろん異なります。
そのため電話で確認したりやwebサイトを閲覧したりして調べてみましょう。
ペットホテルの料金について
料金は動物の種類によって変わります。
また犬の場合は、その大きさによっても料金が大きく異なります。
一方で2匹以上預ける場合は1匹だけ預けるよりも安い追加料金で預けることができます。
下記におおよその相場を掲載します。
「自分のペットだとどれくらいの料金なのか」を確認してみてください。
基本料金(1時間当たり) | 2匹目以降の通常料金(1時間当たり) | |
小型犬 | 1,600円 | 1,300円 |
中型犬 | 2,400円 | 2,100円 |
大型犬 | 3,200円 | 2,900円 |
猫 | 1,400円 | 1,100円 |
ペットホテルではペット向けのサービスと飼い主向けのサービスがあります。また利用料金はペットの種類やサイズによって異なります。
ペットホテルを利用する際のポイントとは?

最後にペットホテルを利用する際に、どういった点に注意しなければならないのかを解説していきます。
まずは感染症対策です。
ペットホテルでは他のペットと一緒に過ごすため、どうしても接触は避けられません。
そこで心配になるのが感染症です。
感染症からペットを守るためにも必ず下記の対策は行いましょう。
- 1年ごとの混合ワクチン
- 狂犬病予防接種
- ノミやダニの予防
また店舗側からもこういったワクチンの接種証明書を求められる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
また自分の大切なペットを預けるわけですから、その店舗の下見は必須です。
特に出張や海外旅行などで数日以上預ける場合は、その分ペットホテルで過ごす時間が長くなるので、より重要になってきます。
衛生面やスタッフの応対などに注目しましょう。
また第一種動物取扱業の標識があるかどうかも確認しましょう。
「管理が不適切だ」と行政から指導が入った場合は、この標識は取り消されます。
そのため第一種動物取扱業の標識の有無は重要なチェックポイントになります。
ペットを預ける際は感染症や管理体制を中心に注意しましょう。
まとめ

自分の仕事やプライベートがある以上、どうしてもペットに24時間付きっきりという訳にはいきません。
そのため飼い主にとってはペットホテルというサービスは非常にありがたいものになります。
ペットホテルの種類も多種多様ですし、店舗によって受けられるサービスも異なりますので、目的やペットの性格に合ったホテルを探しましょう。
投稿者プロフィール

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ペッツファースト株式会社の店舗にて4年間勤務した責任者を中心に運営。在職時店舗運営、ペットの販売、店内環境整備、ペットの健康管理なども含め、ペットショップ全体の管理を行った経験を持つ。
◆保有資格:動物取扱責任者
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