ペットホテルの開業に興味がある方や開業を検討している方に向けて、ペットホテルの開業・運営に必要なものや運営する上で重要なことについて紹介します。
ペットホテルとは?

一言でペットホテルを表すならば、飼い主が不在の際にペットを預かる施設のことを指します。
例えば飼い主が旅行で数日間家を空けたり、あるいは急な出張でペットの世話ができない際にペットホテルは利用されます。
とつぜん用事が入った場合でも即日で利用することができるので非常に便利なサービスです。
人間が利用するホテルと同様に、3日間や1週間など、利用期間を自由に指定することができます。
また1日だけや数時間だけといった短期間での利用も可能なので、ペットを飼っている人から非常に重宝されています。
このようにペットホテルは一時的に世話ができない時にペットを預けられる便利な施設なので、ペットを飼っている人の中で使ったことがある人は多いようです。
なおペットホテルの概要については下記の記事で詳しく解説していますので併せて読んでいただくと理解が深まるかもしれません。

飼い主が一時的に世話ができない時にペットを預けられる施設ことを指します。
ペットホテルの開業に必要なものとは?

この章ではペットホテルを開業する際に必要なものを「行政上の手続き」、「資金」、「人材」の3つの観点から解説しています。
ペットホテル開業に必要なもの~行政編~
まず行政上の手続きに焦点を当てると、ペットホテルを開業するのに下記2つが必要になります。
まず第一種動物取扱業とは動物を販売したり展示したり、あるいは保管したりする仕事の総称を指します。
動物を販売するという観点ではペットショップが第一種動物取扱業に当てはまります。
また動物園や水族館は動物を展示しているので、第一種動物取扱業に分類されます。
ペットショップは動物を補完するわけですから、分類としては第一種動物取扱業になります。
そのためペットショップを開業する際は第一種動物取扱業の登録をする必要があります。
登録には都道府県ごとに定められた基準を満たす必要があります。
基準を満たしていることが確認出来たら各都道府県に設置されている動物愛護センターや動物愛護管理センターに必要書類をもって申請しに行きましょう。
なお申請する際は手数料もかかることに注意しなければなりません。
次に動物取扱責任者とは、その施設内で動物が適切に管理されていたり、施設自体が健全に運営されていたりするために監督する役割を担う人のことを指します。
ペットショップの場合、預かっているペットがストレスなく過ごせる環境を設けているかや、えさを適切に与えているかをチェックする人と言ってもよいでしょう。
適切にチェックするために毎年研修会に参加することを義務付けている自治体もあります。
この動物取扱責任者は、少なくとも一人はその施設に在籍する必要があります。
動物取扱責任者の資格を取得するためには次のうちいずれかを満たす必要があります。
- 獣医師である
- 愛玩動物看護師である
- 指定の資格を取得しており、なおかつ一定期間以上の実務経験がある
- 指定の大学を卒業し、なおかつ一定期間以上の実務経験がある
とはいえ都道府県によって求められる要件は異なるかもしれませんので、開業を検討する際は自治体のホームページをチェックしましょう。
ペットホテル開業に必要なもの~資金編~
何を始めるにしても初期資本は必要になってきます。
もちろんペットホテルを開業する際も例外ではありません。
施設を建てたり備品を揃えたりするほかにも、スタッフを採用・雇用する際にコストがかかりますし、経営が安定するまでの運転資金も必要になってきます。
それでは、元手としてどれくらいの資金が必要なのでしょうか。
「どこにペットホテルを構えるのか」や「どのような備品を購入するのか」にもよりますが、一般的には500万円~1,200万円と言われています。
少なくとも500万円と思うとペットホテルの夢をあきらめてしまう人もいるかもしれません。
しかし、実際は資本をすべて自分で用意する必要はありません。
例えば銀行や日本政策金融金庫から融資を受けることも一つの手段です。
特に日本政策金融金庫は銀行に比べて利子が低かったり、長期的な借入が可能なので、融資を受ける際は条件を確認してみましょう。
ペットホテル開業に必要なもの~人材編~
最後にペットを管理できる資格を保持している人材も必要となります。
特にペットトリマーの資格を保有している人がいると、トリミングもすることができるので、需要が高まります。
なおトリミングサロンに関しては下記の記事で解説しています。
併せて読んでいただくと理解が深まるかもしれません。

また資格を持っていなくとも、ペットホテルでの勤務経験のある人材がいれば運営をよりスムーズに進めることができます。
とはいえ実務経験がある人材は未経験の人材よりも数が少ないことは事実です。
そのため採用活動を行う際は求人媒体だけでなく人材紹介サービスを利用するのも一つの手です。
なおペットホテルの採用については下記記事で詳細に解説しています。
採用活動をする際にぜひ参考にしてみてください。

ペットホテルを始めるためには、行政上の手続きや資金、スタッフが必要です。
ペットホテルはどこで開業できるの?

ペットホテルはどこにでも建てることができるのでしょうか。
実はペットホテルを建ててよい場所は都市計画法という法律や、それに基づく用途地域によって決まっています。
都市計画法とは、一言でいうと街を開発する際の規則やルールをまとめた法律のことです。
具体的には「どのような施設を建ててよいか」や「どれくらいの高さまでの施設を建ててよいか」などが定められています。
次に用途地域とは、利用目的によって区分された地域のことを言います。
例えば工業地域は主に工場を建てるための地域です。
もし都市計画法や用途地域がなければ、様々なところに工場が建ってしまい、夜静かに眠ることができる家を建てれる土地がなくなくなってしまうかもしれません。
そしてペットホテルも都市計画法によって建ててよい場所が決まっています。
具体的には下記の8つです
- 第一種中高層住居専用地域
- 第一種住居地域
- 第二種住居地域
- 準住居地域
- 近隣商業地域
- 商業地域
- 準工業地域
- 工業地域
逆に言えば上記以外の用途地域では建てることができません。
また地域によっては上記の用途地域でも建てることができない場合や、制限が課される場合もありますので、必ず事前に調べましょう。
他にもペットの鳴き声が迷惑にならない場所で開業する必要があります。
住宅街やマンションの近くだと騒音等で近所の住民に迷惑をかけることになります。
そのため開業する際の場所選びは慎重に行う必要があります。
ニーズのある場所で開業することがペットホテル運営に重要です。
ニーズの高い場所として有力なのが空港周辺や駅前です。
その他にも人が集中する場所や駐車場を完備している施設などでも需要は高いです。
代表的な例としてショッピングモールやアウトレットモールがあります。
交通施設や人が集中する施設でのペットホテル運営がおすすめです。
ペットホテルを開業する際の注意点は?

ペットホテルを開業時はどこにホテルを開業するのかという点に最も注意しましょう。
というのも開業する際に立地が集客に大きく影響を与えるからです。
立地による利用客の足の運びやすさは将来的な運営にも影響します。
ペットホテルの開業は需要のある場所で開業し、安定的な運営を目指しましょう。
さらに開業する場所を選ぶ際は騒音など近隣住民への影響にも注意が必要です。
そのため大型商業施など、ペットの鳴き声が気にならない場所も出店候補の 1つに挙がります。
またペットの鳴き声だけでなく、ペットから発生する臭いにも注意する必要があります。
アパートやマンションで開業を行う場合は周辺の住民からのクレームがないように配慮して場所を選びましょう。
集客のしやすさや近隣住民への配慮を踏まえた場所選びが重要です。
ペットホテルはどのように集客する?

ペットホテルへの集客施策は様々なものがあります。
例えばチラシを配ったりCMを流したりなどの施策が考えられます。
そこで様々な宣伝方法がある中でペットホテルに適している方法を4つ紹介します。
webサイト
ペットホテルの開業に欠かせないのが公式ホームページです。
特に店舗概要やサービス内容を明記することが重要です。
サービス内容を伝えることで利用客の信用を獲得することができます。
さらにペットホテルを利用しようとしている人への認知度を増やすこともできます。
こういった積み重ねが顧客の増加に直結しているので重要です。
またwebサイトで問い合わせや予約機能があると、より集客ができます。
そのほかにも料金を明記しておくこともオススメします。
おおよその料金を把握すれば安心してホテルを利用してもらうことができます。
SNS(Twitter・Instagram・YouTube)
SNSで広告やサービス内容を発信することで、新規の顧客獲得に繋げることが可能です。
代表的なSNSとして下記3つが挙げられます。
- YouTube
それぞれの特徴を生かした上で複数のSNSで情報を発信すると効果的です。
例えばInstagramやYoutubeで映像や画像を掲載すると、ペットホテルを使ったことのない人により具体的に店舗を紹介することができます。
もちろんペットホテルを利用したことがある人にも、キャンペーン情報をよりインパクトのある形で告知することができます。
またどういった際にペットホテルを活用できるのか」といった活用事例を発信することも良いでしょう。
どのような時にペットホテルを利用するのが良いのかを紹介することで、ペットホテルを利用するメリットをより具体的に知らせることができます。
Googleビジネスプロフィール
Googleビジネスプロフィールとは、自分の店舗をGoogleを通して集客することができるサービスです。
有効活用すればGoogleやGoogleマップで検索した際により目立った形式で自分の店舗が表示されます。
例えば通常のGoogle検索だと、店舗名を入れて検索すれば、住所や電話番号、HPなど店舗に関する情報が記載されたボックスが表示されます。
またGoogleマップだと、店舗に関する情報のボックスに加えて店舗の所在地に赤いピンが立ちます。
赤いピンのおかげで利用客は店舗の場所を把握できるので、来店数の増加に直結します。
看板・チラシ
これまでネットを活用した方法を紹介してきましたが、アナログでの集客も非常に重要です。
というのもペットホテルは周辺地域の住民が利用することが十分に考えられるからです。
例えば駅前や人通りの多い場所で看板を置くと、効果的に宣伝することができます。
web上の広告と並行して行うことでより効率的に集客を行うことができます。
ペットホテルの集客の代表的な方法としてwebサイトやSNS、Googleビジネスプロフィール、看板・チラシの4つがあります。
ペットホテル開業者の年収は?どのぐらい稼げる?

ペットホテルの運営者の年収は、もちろんどこに出店するのかによって左右されます。
しかし中には年収2000万円を稼ぐ人もいます。
というのも出張や海外旅行など利用シーンが幅広いので、ペットホテルを利用する機会が多いからです。
それゆえにサービス内容や立地次第で、常に安定した収益が見込めるビジネスです。
また定期的に利用する顧客が増えれば、口コミによってさらなる新規顧客の獲得も見込めます。
他にも自宅でペットホテルを運営している人もいます。
その場合であれば光熱費や家賃を最小限に抑えて運営することができます。
そのため費用が少ないので高い利益を期待することができます。
ペットホテルの店舗形態や立地、サービス内容次第で高収入を目指すことができます。
まとめ

ペットホテルは、ペットを一時的に世話できない際に利用できる便利なサービスです。
これまで紹介してきた通り、田舎への帰省や海外旅行に行く際に重宝されます。
ペットホテルを利用するシーンは多く存在するので常に需要があるサービスと言えます。
そのためサービス内容を充実させたり継続的にマーケティングを行うことでリピート客を増やしたり新規顧客を獲得したりして、より安定的な店舗運営を行うことができます。
ペットブームが盛んな今だからこそ戦略的にマーケティングを行い、より多くのペットオーナーに喜んでもらえるペットホテルを運営してみませんか。
投稿者プロフィール

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ペッツファースト株式会社の店舗にて4年間勤務した責任者を中心に運営。在職時店舗運営、ペットの販売、店内環境整備、ペットの健康管理なども含め、ペットショップ全体の管理を行った経験を持つ。
◆保有資格:動物取扱責任者
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